実績・事例
能登半島被災地活動
輪島市からの要請を受けたJUIDAの活動に参加し、地震による孤立地域へドローンによる医療物資輸送を実施
令和6年1月1日の能登半島地震発生を受け、エアロネクスト及びNEXT DELIVERYは、1月7日から輪島市の依頼で、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と協力し、輪島市内で医療物資のドローン配送を行いました。これは、災害時にドローンで物資を運ぶ国内初の試みです。
JUIDAは、ブルーイノベーション株式会社と株式会社Liberawareの支援のもと、ドローンを使用した行方不明者捜索や被害状況の確認などの活動を1月6日から開始しました。エアロネクストは、株式会社ACSLと共にこの活動に加わり、1月8日には輪島市文化会館から孤立した地域にある鵠巣小学校避難所へ、ドローンで薬品を配送しました。
この配送は、エアロネクストとACSLが共同で開発した物流専用ドローン「AirTruck」を利用し、約3キロの距離を約10分で飛行して、住民3人分の薬を届けました。さらに、1月9日には2回の追加飛行を行い、医療品を配送しました。
1月14日には能登町でもドローン配送を実施し、全体では、1月8日から14日までの間に輪島市と能登町において、計11回のドローン配送で、約40人分の処方薬や紙おむつ、カイロ、ボディシートなどのサニタリー類などを配送いたしました。
■災害時のドローンの有用性について
実施概要
・日程:2024 年1 月8 日(月)~未定
・場所:石川県輪島市
・配送内容とルート (今後追加、変更になる場合もあります)
輪島市文化会館から鵠巣小学校避難所(片道約3km)への医療物資輸送
・使用機体: AirTruck
・体制
統括:一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)
運航:株式会社NEXT DELIVERY
協力:株式会社エアロネクスト・株式会社ACSL
■災害時のドローンの有用性について
これまで、災害時を想定した実証実験や訓練は国内各所で行われてきましたが、実際の被災現場におけるドローンによる災害支援活動は前例が多くなく、この度の活動により改めてドローンの有用性が確認されました。
項目 | ドローンの有用性 |
迅速な初動対応が可能 | ⚫︎ヘリコプターなどの有人航空機と比べて出動準備が短く、災害発生時に迅速に災害対応を行うことが可能 ⚫︎人が入りづらい場所、危険な場所に入っていき、状況を確認することが可能 ⚫︎陸上輸送や海からの輸送が困難な状況でも配送が可能 ⚫︎ドローンは省スペースでも離着陸が可能なため、災害時でも周辺環境に左右されずに利用が可能 |
救援者のリスク軽減・安全確保 | ⚫︎人に代わりドローンに危険な場所に入っていけるため、救援者への危険性や二次災害を低減することができる |
様々な情報・データの取得が可能 | ⚫︎他の航空機と比べて、飛行高度が低く、空撮映像の解像度も高い。 ⚫︎ドローンからの空撮映像を用いて3次元測量も可能※ |
■ドローンによる災害支援活動時の課題
本地震において災害時支援活動におけるドローンの有用性が確認された一方で、迅速稼働に向けた課題も数多く存在します。
項目 | 迅速稼働に向けた課題 |
飛行許可の課題 | ⚫︎ドローン関連事業者はあらかじめ自治体などとの連携協定を結んでいない限り、被災直後の支援が難しい ⚫︎災害時は、緊急用務空域が指定され、ドローンの飛行は原則禁止となる。自治体からの支援要請がない限り、災害時特例として民間企業として単独での支援は困難 |
機能の課題 | ⚫︎天候に左右される ⚫︎長時間飛行が難しい |
人材の課題 | ⚫︎知見、経験があり、国や自治体との調整ができる統括役が必要 ⚫︎運用者の育成が必要(通常時と比べて危険な場所や困難な状況下でのドローン操縦) |
エアロネクストおよびNEXT DELIVERYは、空からの輸送手段であるドローンを駆使し、日本各地で運航を重ねてきた経験と技術力を合わせ、今後も被災地の1日も早い復興に貢献できるよう活動してまいります。