物流ドローン開発:空力最適化と試験の重要性
エアロネクストは、ドローンの研究開発に取り組んでおり、その中でも物流に特化したマルチコプターの研究開発に注力しています。エアロネクストでは、様々な空力特性を最適化することにより、効率的で安定した飛行性能を追求しています。
物流特化型マルチコプターと一般的なマルチコプターの違い
まず、物流特化型マルチコプターと、空撮などで一般的に用いられるマルチコプターは、飛行中の動き方が異なります。一般的なマルチコプターは、ホバリングや上下左右への移動、さらには急旋回など、様々な動き方をします。空力設計が特に重視されなくても、フライトコントローラが適切に動作し、安定した飛行が可能です。
一方、物流特化型マルチコプターの主な目的は効率的な運搬です。目的地まで前進飛行を続ける場面が大半を占めるため、ホバリングしている時間よりも、前進飛行している時間の方が長くなります。さらに、できるだけ長距離飛行することが求められるため、必然的に飛行速度は速くなります。飛行速度が速くなると、空力の影響が大きくなるため、前進飛行時の空力性能は非常に重要になります。
エアロネクストでは、この前進飛行時の空力性能を最大限に引き出すための研究開発を行っており、空気抵抗を減らし、効率的にエネルギーを使うことで飛行時間及び飛行距離の延長を目指しています。

ドローン開発のアプローチ:試行錯誤からシミュレーションへ
一般的なドローン開発では、まず試作品を作り、実際に飛行させてデータを取得するというアプローチがよく見られます。小型のドローンであればコストもそれほど高くならず、試行錯誤しながら改良することが可能です。しかし、大型のドローンの場合、試作品の製作コストも高く、一度作ったものが期待通りの性能を発揮しなければ多額のコストと時間が無駄になるリスクがあります。
エアロネクストでは、航空機の開発と同様に、いきなり実機を製作するのではなく、段階的な検証を重ねながら性能を確認していく手法を採用しています。これにより、リスクを抑えつつ、短期間で性能の高い機体開発が可能になります。
ドローン開発における3つの重要な検証手法
エアロネクストの開発プロセスにおいて、重要な検証手法として以下の3つを採用しています。
1. 風洞試験
風洞試験は、機体の空力特性を評価するための手法の一つです。実機サイズでも試験を行うことはできますが、小スケールのモデル機を使い、空力特性を確認することができます。実際に実機を作りこまずに、最小限のコストで機体の空力特性を確認し、設計にフィードバックすることができます。
エアロネクストでは社内に小型風洞(出口寸法240mm x 240mm)と、低速大型風洞(出口寸法2,000mm x 1,000mm)があるため、容易に各種実験を行うことが可能となっています。


2. CFD解析
数値流体力学(CFD)解析は、コンピュータ上で流体の流れをシミュレーションする手法です。CFD解析は、風洞試験と違い、物理的なモデルを作る必要がないため、コスト削減やスピーディな評価が可能です。エアロネクストでは、様々な流体挙動をシミュレーションし、風洞試験と合わせて活用することで、より精度の高い設計が可能になっています。また、CFD解析により、空力に関するさまざまなシナリオを試すことができるため、設計の初期段階において、空気抵抗やモーメントに関する改善点の洗い出しがスムーズに行えます。

3. 試験飛行
最後に、実際にスケールモデルを使った試験飛行を行います。風洞試験やCFD解析を通じて得られたデータをもとに設計された機体を実際に飛行させることで、理論と現実のギャップを埋めます。試験飛行でのデータ収集により、予測していた性能が実機でも発揮できるかを確認し、必要に応じて設計を再度調整します。

エアロネクストの開発ポリシー:効率的で高性能な機体開発
エアロネクストでは、機体の開発において、いきなり実機を作らず、段階的な検証手法を組み合わせることを重視しています。特に大型機体の場合、初期のスケールモデルによる検証が非常に効果的です。風洞試験、CFD解析、試験飛行を通じて空力特性を細かく確認し、コストを抑えつつも高性能な機体を短期間で開発しています。エアロネクストでは、このプロセスを確立することで、物流分野におけるドローン技術の革新をリードしていくことを目指しています。