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新潟県阿賀町で地域物流を効率化する新スマート物流“SkyHub®︎”の社会実装に向けた2回目のドローン配送実証実験を実施 ~ドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けて~

新潟県阿賀町(町長:神田一秋、以下 阿賀町)、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路圭輔、以下エアロネクスト)、株式会社NEXT DELIVERY (本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路圭輔、以下NEXT DELIVERY)、KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長: 博野 雅文、以下 KDDIスマートドローン)は、2023年3月20日から2023年3月24日の間、新潟県阿賀町にて、地域物流を効率化する新スマート物流*1”SkyHub*2”の構築に向けたドローン配送実証実験(以下 本実証)を実施しました。

本実証では、自然災害による生活道路の分断を想定した緊急物資の輸送ルートの開拓、及び、買物弱者⽀援の物資輸送ついて、地元商店から調達した日用品をドローン配送することで実証いたしました。昨年実証実験から新たに、線路の上を通る最短ルート、町の中心地からの長距離航行ルートのような、より地域課題に着目し、実装に向けた新たなルート開拓を行い、町内の多くの住民の方に利用して頂けるサービス構築を進めてまいります。

具体的には、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装の検討に向けて実施するもので、実施はNEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが連携して行いました。

豪雪地帯では配送が可能となり、緊急の際には物資も届けられる事を実証。

住民の方々へアプリを使った買物代行の仕組みをご説明。

実証実験概要

背景と目的

阿賀町は人口9,716人(R5.2.28現在)、中山間地域および特別豪雪地帯に該当し、人口減少や少子高齢化の進行が著しい地域です。また、町中心部から遠い山間部に散在する集落が多いことから、高齢者の日用品などの買物のアクセスについて、歩く以外の効率的な手段を提供することが課題となっています。

また、本実証実験の対象地域3カ所は、町の中心部から離れており、近くても車で15分、遠ければ30分ほど離れており、過去には特別豪雪地帯特有の豪雪により倒木による電線の断線、土砂崩れによる車両通行止めでの孤立した地域のような、自然災害が起こりやすい地域に高齢者の方が住まわれている集落が点在しております。そのために、自然災害が起こった際には、孤立した地域となってしまい、緊急で必要な物資が滞ってしまう事態になってしまい、人命に関わる危険が発生する可能性が危惧されておりました。

今回、中山間地域および特別豪雪地帯におけるドローン物流の社会実装を見据え、災害発生時に最短距離で緊急物資が届けられるルートの開拓を行いました。また、平時おいては地域住民の方が普段の生活でも配送で利用できるように、今後の実装で地域社会に溶け込んだ新たな配送方法としての活用を検討してまいります。

実施内容

阿賀町3地域(鹿瀬地域、上川地域、津川地域)において、支所、会館等地域に根付いたランドマークにドローンデポ*3を、各集落3ヶ所の中心地にドローンスタンド*4を設置して、災害時でも滞りなく物資輸送ができるドローン配送を想定して、地元住民がアプリを使って注文した日用品や食料品をお届けしました。

今回ドローン配送で届けられた商品を受け取った地区の方は、今後の実装に期待しており、「いつからスタートするのかい?」といった質問があったように、地域の住民の方々が未来に期待をしてらっしゃる事を感じる実証になりました。

今回のドローン配送の実証はエアロネクストが開発をした物流専用ドローンAirTruck*5を用いています。機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズ*7の運航管理システムを活用しました。

実証実験に使用した日本発物流専用ドローン“AirTruck”

 

今回ドローン配送された商品

 

本実証後、2023 年度を目標に、過疎地域の課題解決を目指す新スマート物流の構築に向け、各社荷物などを集約化するドローンデポとドローンの着陸地点となる複数のドローンスタンドを設置し、地上配送と将来のドローン配送を想定した買物代行サービスの開始を目指します。

以上

(資料)

*1 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム(O.P.P.)による共創で実現を目指す。

*2 新スマート物流SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。
ドローン配送が組み込まれた、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみで、ドローンデポ®︎を拠点に、SkyHub®アプリをベースにした配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送などのサービスを提供する。
SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

*3 ドローンデポ:既存物流とドローン物流との接続点に設置される荷物が集積し配送される拠点。ドローン配送のための倉庫でもあり、荷物をドローン配送できる仕組みを持つ。

*4 ドローンスタンド:ドローン物流の起点および終点に設置されるドローンの離発着のための設備あるいはスペース。

*5 物流専用ドローン AirTruck
次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*6により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績をもつ。

*6 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

*7 スマートドローンツールズ
KDDIスマートドローン株式会社が提供する、ドローンの遠隔自律飛行に必要な基本ツールをまとめた「4G LTEパッケージ」に、利用者の利用シーンに合った「オプション」を組み合わせて利用できるサービス。「4G LTEパッケージ」は、全国どこからでもドローンの遠隔操作・映像のリアルタイム共有を可能とする「運航管理システム」や、撮影したデータを管理する「クラウド」、データ使い放題の「モバイル通信」の3つのツールをまとめて提供している。

【新潟県阿賀町とは】
阿賀町は、新潟県の東部に位置し、県都新潟市から東へ磐越自動車道で約35分、一般国道49号では約60分で町の中心部に到達する距離にあり、町の東側は福島県の県境と接しています。
町の中央を阿賀野川とその支流の常浪川が流れ、その沿岸の段丘を中心に開けた山間地域です。中心部は比較的平坦ですが、周辺は急峻な山岳地帯に囲まれており、北に大きく飯豊山塊が広がり、北西には越後山脈が南北に走っています。
町の面積は952.89㎢で、県内第3位の広大な面積を有しています。平均気温は11℃から12℃程度ですが、1日の気温差が大きいばかりでなく、年間を通じての気温差が30℃にもなり寒暖の差が非常に大きい地域です。そのため季節がはっきりしており、四季折々の風情を楽しむことができます。
*阿賀町詳細については https://www.town.aga.niigata.jp/index.html をご覧下さい。

【セイノーホールディングス株式会社とは】
セイノーホールディングスは、価値創造型総合物流商社を標榜し、お客様に「時空を超えた価値提供」を目指しています。お客様の繁栄を基軸に、日本全体の効率化を意識したプラットフォームを構築すべく、オープンニュートラルな関係で業界内外において手を取り合い、お客様により良い最適なサービスを提供する「オープン・パブリック・プラットホーム構築(O.P.P.)」を具現化させることをグループの全体戦略としています。ラストワンマイル領域においては、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、貧困家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルO.P.P.の構築を積極的に推進・拡大しています。
*会社概要は https://www.seino.co.jp/seino/shd/overall-condition/ をご覧下さい。

【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY®︎。この4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。

【株式会社NEXT DELIVERYとは】
「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る国へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHub®︎の実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。
*会社概要は https://nextdelivery.aeronext.co.jp/ をご覧下さい。

【KDDIスマートドローン株式会社とは】
KDDIスマートドローンは、4G LTEなどのモバイル通信を用いてドローンを制御することで、安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスの構築を行っています。ドローンによる新たなビジネスの実現や、点検・物流・監視・農業・測量などのさまざまな分野におけるお客さまのニーズに即した機動的なサービスの提供に取り組んでいます。
*会社概要は https://kddi.smartdrone.co.jp/ をご覧ください。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

 

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