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神川町で地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けたドローン配送の実証実験を実施~神川町とセイノーホールディングス、エアロネクストが締結した、包括連携協定に基づく取組み~
神川町(町長:櫻澤 晃)と、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下エアロネクスト) 、株式会社NEXT DELIVERY (本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)は、2023年3月15日に、地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けたドローン配送の実証実験を神川町で実施しました。
本実証実験は、同日に神川町とセイノーHD、エアロネクストの3者が締結した、ドローンなどを活用した地域課題解決のための包括連携協定に基づく取組みです。
具体的には、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流*1”SkyHub®“*2の社会実装の検討に向けて実施するもので、NEXT DELIVERYが実施しました。
実証実験概要
背景と目的
神川町は総人口13,127人(2022年4月1日現在)、南側の秩父市、秩父郡皆野町と三市町の範囲が重なる点に城峯山がそびえている。中部の群馬県藤岡市との境界に神流川が流れ、下久保ダムによって形成された神流湖がある。
今回、物資や商業施設が集積する市街地と過疎化が進行している旧神泉村地区への「市街地・過疎地連結型ドローン物流」を想定し、今年度は、神川町内にて、定期飛行に向けた課題の洗い出しを目的として仮設のドローンデポ®*3とドローンスタンド®*4を設置して実証実験を実施しました。神川町に10年先も20年先もずっと住みたいと思えるまちづくりに向けた実験内容であり、今後、少子高齢化が更に進んでいく日本の将来を支えるための実証実験となっています。
実施内容
今回の実証実験では、多目的交流施設と城峯公園を往復で結びドローン配送を行うと共に災害支援の視点や、フードデリバリー、物産販売の視点を組み合わせ常に荷台を空にしない取り組みといたしました。
関東西濃運輸本庄支店に集まった救援物資(粉ミルク、幼児用お菓子、ジュース、スポーツドリンク、体拭きシート等)と、おふろcafé白寿の湯にて陸上養殖された鯖を調理したお弁当と豚汁が軽車両で多目的交流施設まで届けられ、多目的交流施設敷地内にて、救援物資とお弁当と豚汁をドローンに搭載しました。その後物流専用ドローンAirTruck*5にて城峯公園までの片道約5kmの距離を約11分で配送し、災害時を想定した救援物資が地元の住民に、お弁当と豚汁がサイクリストに手渡されました。
城峯公園では、サイクリストが直売所にて買物した地元産の野菜やマヨネーズ等をドローンに積み込み、多目的交流施設に向けて復路飛行いたしました。
その際に撮影用ドローンで危険箇所を確認する想定で多目的交流施設のモニターで、ドローンに搭載されたカメラからの飛行中のライブ映像を確認しました。多目的交流施設にドローンによって配送された荷物は、さらに軽車両に積み込まれ、関東西濃運輸本庄支店より発送されました。
城峯公園でドローンで届けられたお弁当と豚汁を受け取った則包さんは、「出来立てのお弁当と熱々の豚汁がヒルクライムで食べられて嬉しい。サイクリングは常に荷物をできるだけ持たないようにするので、イベントでもランチは車で目的地まで運んでもらったり、お土産も買えなかったりだった。ドローンで運んでもらえるとありがたい。」とコメントしています。幼児用お菓子やジュースなどの救援物資を受け取った原さん親子は目を輝かせながらドローンを見つめ、母親の原理沙さんは、「こんなふうに物が届けば、この子が大きくなっても住みたくなる町になりますね」とコメントしています。
実証実験における各社の役割
神川町 | 水素・再生可能エネルギー・ゼロエミ物流等の脱炭素化の取組み、実証実験の場やリソースの提供、社会実装へ向けた支援 |
セイノーHD | 持続可能な物流網の構築、ラストワンマイルの課題解決、新スマート物流“SkyHub®”の社会実装 |
エアロネクスト | 高性能なドローンを実現する技術、物流専用ドローン機体準備、新スマート物流“SkyHub®”の社会実装 |
NEXT DELIVERY | ドローン配送サービスの実用化、ドローン運航オペレーション |
会見要旨
3月15日に実施された包括連携協定調印式には、神川町長 櫻澤晃、セイノーHD執行役員河合秀治、エアロネクスト 代表取締役CEO/NEXTDELIVERY代表取締役 田路圭輔が出席し、それぞれ以下のようにコメントしています。
神川町長:櫻澤晃
この協定を機に神川町でドローンを活用した新スマート物流システムの構築、観光や産業振興での活用に向け検討し、それにより、10年先も、20年先もずっと住みたいと思えるまちづくりのため「挑戦する」取り組みを進めていきたいと考えております。
セイノーHD 執行役員:河合秀治
セイノーホールディングスは、幹線輸送の強みを活かしたラストワンマイル配送領域において、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、生活困窮家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルの構築を積極的に推進・拡大しております。
神川町においては、物流が担う役割やテクノロジーの実装で、住民の皆様が持続的に安心して暮せる住みよい神川の町づくりと住民サービスの維持、向上を追求し、10年、20年先の未来につながるドローンによる自動化を視野に入れた新たな空と陸の物流モデル構築に向け取組んで参ります。
エアロネクスト 代表取締役CEO/NEXTDELIVERY代表取締役:田路圭輔
埼玉版スーパー・シティプロジェクトにおいて、拠点間をヒト、モノ、情報がフレキシブルに移動できる環境を提供して、住民がフレキシブルにコンパクトに暮らせる町を目指す神川町。我々が提唱している物流を基点に地域社会インフラをバージョンアップする新スマート物流の取り組みはその実現につながる取り組みだと考えています。神川町から新しい移動のモデルを発信できたら嬉しく思います。
5.包括連携協定の内容(締結日:2023年3月15日)
ドローンを含む次世代高度技術の活用により、以下の事項において連携・協定する。
- 観光・産業・経済の振興に関する事項
- 持続可能な地域交通や地域の事業者と連携した物流課題の解決による住みやすい環境づくりに関する事項
- 医療・服薬指導・福祉の充実及び継続に関する事項
- 地域防災や地域の脱炭素化への貢献及び新しい社会インフラの整備に関する事項
- 地域雇用、人材育成および産業基盤整備に関する事項
今後も3者は連携して、地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けた検討を進めてまいります。
※本実証実験は、一般社団法人環境普及機構により、令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金交付対象事業(社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業)として採択されています。
以上
(資料)
*1 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指す。
*2 新スマート物流SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。
ドローン配送が組み込まれた、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみで、ドローンデポ®︎を拠点に、SkyHub®システムをベースにし、配送異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送や、買い物代行、配達代行、フード、医薬品などをドローンスタンド®あるいは個人宅まで配送するサービスを提供する。
SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。
*3ドローンデポ®
既存物流とドローン物流との接続点に設置される荷物の一時倉庫であり配送拠点。
*4ドローンスタンド®
ドローン物流の起点および終点に設置されるドローンの離発着のための設備あるいはスペース。
*5 物流専用ドローン AirTruck
次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*6により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績をもつ。
*6 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。
【セイノーホールディングス株式会社とは】
セイノーホールディングスは、価値創造型総合物流商社を標榜し、お客様に「時空を超えた価値提供」を目指しています。お客様の繁栄を基軸に、日本全体の効率化を意識したプラットフォームを構築すべく、オープンニュートラルな関係で業界内外において手を取り合い、お客様により良い最適なサービスを提供する「オープン・パブリック・プラットホーム構築(O.P.P.)」を具現化させることをグループの全体戦略としています。ラストワンマイル領域においては、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、貧困家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルO.P.P.の構築を積極的に推進・拡大しています。
*会社概要は https://www.seino.co.jp/seino/shd/overall-condition/ をご覧下さい。
【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY。この4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。
【株式会社NEXT DELIVERYとは】
「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る国へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHubの実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。
*会社概要は https://nextdelivery.aeronext.co.jp/ をご覧下さい。
*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。