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川根本町で災害時の孤立集落へのドローン配送を想定した実証実験第2回を実施

静岡県川根本町(町長:薗田靖邦)と株式会社NEXT DELIVERY (山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)は、2023年12月3日(日)と4日(月)の2日間にわたり災害時の孤立集落へのドローン配送を想定し実証実験を実施いたしました。

実証実験は、株式会社NEXT DELIVERYが、川根本町孤立集落物資輸送実証業務委託に係る公募型プロポーザルとして採択され、実施したものです。

肉まんとあんまんを搭載した物流専用ドローン ”AirTruck”の離陸を見守る本川根小学校の生徒たち(本川根小学校グラウンド)
ドローン配送されたお菓子を受け取る川根小学校の生徒たち(本川根小学校グラウンド)
ドローン配送された肉まんとあんまんを受け取る川根中学校の生徒たち(本川根中学校グラウンド)

 

実証実験概要

1.背景と目的
川根本町は総人口6,014人(2023年7月現在)、静岡県の中央部に位置し、町域は大井川に沿った東西約23km、南北約40kmの南北に細長い形で、面積は496.72km²(県全体の6.4%)、このうちの約90%を森林が占めている。自然が占める割合が多く、町の中心地から離れた集落が散見され、高齢化に伴う買い物難民の課題を抱えています。また、有事の際に孤立してしまう可能性のある集落も多く、災害などで道路が遮断され交通手段がない場合の物資輸送の課題もあります。

このような背景を受け、買い物難民問題や有事の際などの孤立問題の解決をすべく、物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組み作りを目指し、住民の理解度向上、定期飛行に向けた課題の洗い出しを目的として実証実験を実施いたします。

2.実施内容
12月3日(日)、4日(月)の2日間にわたりエアロネクストが物流用途に特化してゼロから開発した可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmの物流専用ドローンAirTruck*3を使用し、ドローン配送の実証実験を実施しました。

今回役場総合支所から坂京地区へドローンで配送された非常食のカレー

12月3日は有事を想定したドローン配送の実証実験を実施。有事の際に孤立被害が想定される坂京地区への物資輸送を想定し、役場総合支所から坂京地区へ(距離3.5km、約7.5分)非常食をお届けしました。ドローンで非常食を配送した先の地域住民の方は、「こういうものがあれば非常時は活躍してくれると思う」とコメントしています。

12月4日は子供たちにドローン配送を体感してもらい将来への期待などを感じてもらうため、本川根小学校と本川根中学校間のドローン配送の実証実験を実施。小学校と中学校間をドローンが一往復し、それぞれモノをお届けしました。本川根小学校から本川根中学校へ(距離約1km、約3分)肉まんとあんまんを、本川根中学校から本川根小学校へ(距離約1km、約3分)お菓子をお届けしました。

今後も地域住民への理解促進及び地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けた検討を進めてまいります。

以上

(資料)

*1 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指す。

*2 新スマート物流SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存の陸上輸送とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれた、オープンかつ標準化したプラットフォームで、ドローンデポ®︎を拠点に、車とドローンを配送手段として、SkyHub®︎TMSをベースに、SkyHub®︎Delivery(買物代行)、SkyHub®︎Eats(フードデリバリー)、SkyHub®Medical(医薬品配送)、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送など、地域の課題やニーズに合わせたサービスを展開、提供する。
SkyHub®︎の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流2024年問題に直面する物流業界において、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

*3 物流専用ドローン AirTruck
次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*4により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。日本では各地の実装地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高1300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績をもつ(2023年11月)。

*4 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

【静岡県川根本町とは】
*川根本町詳細については川根本町ホームページをご覧下さい。

【株式会社NEXT DELIVERYとは】
「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHub®の実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。
*会社概要はこちらをご覧下さい。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴ、NEXT DELIVERY、並びに「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。