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茨城県境町で初の「レベル3.5」飛行で移動車両上空を横断したドローン配送を実施~よりオンタイムでのドローン配送の社会実装を加速~
茨城県境町(町長:橋本 正裕)と株式会社NEXT DELIVERY (山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)は、2023年12月13日(水)に、国交省より、新設されたドローン飛行レベル「レベル3.5*1」の飛行承認を受け、「レベル3.5」でのドローン配送を実施しました。また、レベル3.5の実施は本州では初の実施です。
今回の飛行では、2023年12月の規制緩和に伴い、今まで飛行レベル「レベル4」でしか実現できなかった、移動車両上空を横断したドローンによる配送を日本で初めて実施いたしました。
レベル3.5の新設については、11月17日に開催された「規制改革推進会議」の第1回スタートアップ・投資ワーキング・グループの部で、国土交通省がドローンに関する規制緩和と今後の方針の説明内で触れられたもので、年内に実施開始予定と発表されていました。レベル3.5とは、デジタル技術の活用(機上のカメラによる歩行者等の有無の確認)により、補助者や看板の配置といった現在の立入管理措置を撤廃するとともに、無人航空機の操縦ライセンスの保有および保険への加入により道路や鉄道等の横断を伴う飛行を容易とするもので、ドローンの運用コスト削減と業務の効率化につながり、ドローン配送の事業化に向けて大変大きな動きです。
境町では、2022年度からドローンを活用した新しい商品流通の仕組みの構築に着手し、2023年2月にドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流*2”SkyHub®*3“の拠点となる『ドローンデポ境町』を開所しました。
境町では昨年度よりドローンの定期飛行を進めてきましたが、離陸からすぐの箇所で道路横断の必要があり、これまで一時停止を取らざるを得ない状況が相次ぎ、配送時間にズレが生じていました。
今後は、レベル3.5の解禁により、空のインフラを活用したよりオンタイムでスムーズな運航の実現が期待でき、社会実装のスピードを加速化してまいります。
レベル3.5飛行 概要
ドローン配送には物流専用ドローンAirTruck*4を使用し、運航管理(リモートパイロット)は、有資格者が山梨県小菅村より遠隔で行い、往路約4.5㎞を約11分で飛行しました。今まで境町では、国道354号の横断の際に、移動車両の上空を飛行できない規制があったためドローンが一時停止をしていました。「レベル3.5」飛行では、有資格者のパイロットの操縦のもとルールを満たすことによりドローンが一時停止せず移動車両の上空の運航が可能*6となり、今回の飛行では、必要資格を有するパイロットによる運航であるという条件を満たしており、安全を確認のうえ、一時停止することなくスムーズに運航し、配送を実施しました。
また、機上のカメラで安全を監視することで、着陸側に補助員やパイロット配置はなく、ドローンは自動で着陸し、境町名産の干し芋やドリンクの入った箱を切離して置き配して、離陸後、住民自らが箱を拾い上げ中身を確認しました。
また、現行のレベル3は鉄道や道路、船の航路など人が立ち入る可能性のある場所を飛ぶ時は、現地での補助員の配置や案内板の設置を義務づけられていますが、今回の「レベル3.5」飛行では、ルート上に補助員配置なし、案内板配置なしで飛行を実施しました。
以上
(資料)
*1 レベル3.5
10 月11 日に開催された第1 回デジタル行財政改革会議での内閣総理大臣からの指示を受け、ドローンを活用した物資配送の年内の事業化を目指した集中的な検討が国土交通省で行われ、11 月17 日に開催された規制改革推進会議スタートアップ・投資ワーキンググループにおいて、年内にレベル3.5 飛行を新設する等の方針が示された。レベル3.5飛行とは、デジタル技術の活用(機上のカメラによる歩行者等の有無の確認)により、補助者や看板の配置といった現在の立入管理措置を撤廃するとともに、無人航空機の操縦ライセンスの保有および保険への加入により道路や鉄道等の横断を伴う飛行を容易とするもので、ドローンの運用コスト削減と業務の効率化につながり、ドローン配送の事業化に向けた大きな動きである。
*2 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指す。
*3 SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存の陸上輸送とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれた、オープンかつ標準化したプラットフォームで、ドローンデポ®︎を拠点に、車とドローンを配送手段として、SkyHub®︎TMSをベースに、SkyHub®︎Delivery(買物代行)、SkyHub®︎Eats(フードデリバリー)、SkyHub®︎Medical(医薬品配送)、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送など、地域の課題やニーズに合わせたサービスを展開、提供する。
SkyHub®︎の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流2024年問題に直面する物流業界において、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。
*4物流専用ドローン AirTruck
株式会社エアロネクストが株式会社ACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*5により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。日本では各地のドローン配送実装地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高1300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績をもつ(2023年11月)。可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20km。
*5 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。
*6 移動車両の上空の運航が可能
レベル3.5においては、適切な無人航空機操縦者技能証明の保有と第三者賠償責任保険への加入により、道路、鉄道等の移動車両上空の横断が可能。
【境町とは】
埼玉と千葉に隣接し、利根川の豊かな水が流れる緑あふれる「河岸のまち」です。
近年、誰もが生活の足に困らない町を目指し、自治体初の自動運転バスの運行など、「シンプルに困っている人を助ける」ための最先端の技術を取り入れた事業が盛んです。
地域課題に対しスピード感をもって解決していくまちづくりが功を奏して、『まちづくりアワード「功労賞」国土大臣表彰』『クルマ・社会・パートナーシップ大賞』『スポーツ・健康まちづくり(スポーツ庁長官表彰)※受賞2回』を受賞しました。手厚い子育て支援や移住・定住者への補助でも人気を呼び、「田舎暮らしの本」(宝島社 2023年2月号 第11回「住みたい田舎」ベストランキング)では北関東エリア 若者世代・単身者部門で1位を獲得しました。
今後は、高齢者にも子育て世帯にも「住み続けたい町」として期待に応えるべく、自動運転バスとドローンが連携する次世代型物流システムの構築を目指していきます。
【株式会社NEXT DELIVERYとは】
「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHub®の実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。
*会社概要はこちらをご覧下さい。
*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴ、NEXT DELIVERY、並びに「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。