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島根県雲南市で地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けた実証実験の実施~ドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けて~

雲南市(市長:石飛 厚志)と、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下エアロネクスト)、株式会社NEXT DELIVERY (本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)、KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長: 博野 雅文、以下 KDDIスマートドローン)は、3月17日(金)・18日(土)に、道の駅掛合の里とはたマーケットを物流拠点として設定し、ここを起点としたドローン配送を実施し、3月17日(金)に報道関係者に公開しました。

本実証実験は、昨年9月に雲南市、セイノーHD、エアロネクストの3者が締結した、ドローンを含む次世代高度技術活用により地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けた包括連携協定に基づく取組みです。

具体的には、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流*1”SkyHub®“*2の社会実装の検討に向けて実施するもので、ドローン運航は、NEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが連携して実施しました。

写真向かって左より波多コミュニティ協議会会長木村守登、セイノーHD執行役員河合秀治、雲南市長 石飛厚志、エアロネクスト代表取締役CEO田路圭輔、 KDDIスマートドローン代表取締役社長 博野雅文、入間コミュニティ協議会会長 松村朝人)

おでんと焼鯖弁当を載せて離陸する物流専用ドローン”AirTruck”(はたマーケット前のグラウンド)

ドローン配送された配食サービスのお弁当を受取る介護事務所のスタッフ(入間介護事務所前)

 

 

実証実験概要

背景と目的

雲南市は、豊かな森林や河川、滝など、中山間地域ならではの豊かな自然環境に囲まれ、桜や蛍が息づく自然と市民の生活が融合したまちづくりや、地域資源を活かした温泉施設、観光施設が整備され、水と緑が醸し出すうるおいのある穏やかな印象をもった美しい地域です。小規模な集落が広く点在し、商店や飲食店も少なく、また人口の約 40 %を高齢者が占めるなどの理由で、日常の買い物など生活利便性の維持が求められています。また、運送業界においては、人手不足や採算性から特に過疎地域における配送維持が課題となりつつあります 。そこで、物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みをつくり、課題の解決を目指す実証実験に、民間企業と行政が協働して取り組みます。

実施内容

本実証では、入間地区で実施されているボランティアでの配食サービスで、社会福祉協議会へのお弁当の引取の業務をドローンに置き換えをすることで効率化を図る実証を行い、また、はたマーケットの利用者の拡大を図る目的で、マーケットへの来訪が困難な高齢者の方をメインにアプリで注文した商品をドローンでオンデマンド配送する実証を実施しました。今回のドローン配送の実証はいずれもエアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruck*3を使用し、機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズ*5の運航管理システムを活用しました。

3月17日(木)の報道関係者への公開ではまず、社会福祉協議会を仮設のドローンデポ®*6とし、片道約8km先の仮説のドローンスタンド*7とした入間介護事務所に向けてドローンは約18分で飛行し、配食サービスのお弁当1食をお届けしました。地域課題の一つの「買い物難民」問題をドローン物流で解決を図るべく、お客様役の住民モニターが注文した商品で構成される「おでんと焼鯖寿司のセット」(約2.4kg)のはたマーケットから搭載し、離陸地点である入間交流センターまでの片道約7.3kmを、ドローンにより約16分でお届けしました。

到着した商品は偏ったり崩れたりすることなく、無事、入間交流センターで待っていた地域住民モニターの手に届けられました。ドローンで届いた商品を受け取った地域住民モニターの方は、「地区に商店がすべて閉店し、困っていたところ、ドローン物流をこの地で実施してもらい、可能性を感じた。救急な対応や災害対応などで、色々な面で活用が期待できる。」とコメントしています。

おでんと焼鯖弁当の入ったドローン用の箱を受け取るスタッフ

今回ドローン配送されたおでんと焼鯖寿司のセット

雲南市内を飛行する物流専用ドローン“AirTruck”

 

今後も地域住民への理解促進及び地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けた検討を進めてまいります。

※本実証実験は、一般社団法人環境普及機構により、令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金交付対象事業(社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業)として採択されています。

以上

(資料)

*1 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム(O.P.P.)による共創で実現を目指す。

*2 新スマート物流SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。
ドローン配送が組み込まれた、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみで、ドローンデポ®︎を拠点に、SkyHub®アプリをベースにした配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送などのサービスを提供する。
SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

*3 物流専用ドローン AirTruck
次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*4により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績をもつ。

*4 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

*5 スマートドローンツールズ
KDDIスマートドローン株式会社が提供する、ドローンの遠隔自律飛行に必要な基本ツールをまとめた「4G LTEパッケージ」に、利用者の利用シーンに合った「オプション」を組み合わせて利用できるサービス。「4G LTEパッケージ」は、全国どこからでもドローンの遠隔操作・映像のリアルタイム共有を可能とする「運航管理システム」や、撮影したデータを管理する「クラウド」、データ使い放題の「モバイル通信」の3つのツールをまとめて提供している。

*6ドローンデポ®
既存物流とドローン物流との接続点に設置される荷物の一時倉庫であり配送拠点。

*7ドローンスタンド®
ドローン物流の起点および終点に設置されるドローンの離発着のための設備あるいはスペース。

【雲南市とは】
雲南市の現在の人口は3万6千人あまり。過疎高齢化が急ピッチで進み、2015年に37%まで上昇した高齢化率は全国平均の25年先を行きます。こうした状況を雲南市は「課題先進地」の一歩先をゆく「課題解決先進地」と位置付け、変革につなげようとしています。そのための新たな社会デザインの実証実験が、雲南ソーシャルチャレンジバレー構想です。これは、地域を担う多様な人材を育成・確保する仕組みを構築するとともに、地域の持続可能性を高めるため、子ども、若者、大人それぞれのステージで、多世代・多様なチャレンジの連鎖を生むための一連の施策です。そして今、さらなるインパクトを求めてその上に「企業チャレンジ」を掛け合わせ、全プレーヤーによるソーシャルチャレンジの生態系を作り出そうとしています。「企業チャレンジ」とは、自社の製品・サービスを通じて新しい社会デザインを目指す企業やNPOへ雲南市を実証フィールドとして提供し、地域自主組織などと結びつけながらプロジェクト化していく試みです。
*雲南市詳細については http://www.co-unnan.jp/ch-kigyou.php をご覧下さい。

【セイノーホールディングス株式会社とは】
セイノーホールディングスは、価値創造型総合物流商社を標榜し、お客様に「時空を超えた価値提供」を目指しています。お客様の繁栄を基軸に、日本全体の効率化を意識したプラットフォームを構築すべく、オープンニュートラルな関係で業界内外において手を取り合い、お客様により良い最適なサービスを提供する「オープン・パブリック・プラットホーム構築(O.P.P.)」を具現化させることをグループの全体戦略としています。ラストワンマイル領域においては、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、貧困家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルO.P.P.の構築を積極的に推進・拡大しています。
*会社概要は https://www.seino.co.jp/seino/shd/overall-condition/ をご覧下さい。

【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY®︎。この4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。

【株式会社NEXT DELIVERYとは】
「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る国へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHub®︎の実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。
*会社概要は https://nextdelivery.aeronext.co.jp/ をご覧下さい。

【KDDIスマートドローン株式会社とは】
KDDIスマートドローンは、4G LTEなどのモバイル通信を用いてドローンを制御することで、安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスの構築を行っています。ドローンによる新たなビジネスの実現や、点検・物流・監視・農業・測量などのさまざまな分野におけるお客さまのニーズに即した機動的なサービスの提供に取り組んでいます。
*会社概要は https://kddi.smartdrone.co.jp/ をご覧ください。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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