実績・事例
【自社研究開発】東北大学プロペラ風洞試験
概要
1. 背景
エアロネクストは、次世代のドローン技術の発展に向け、プロペラの空力特性を調査するための基礎研究を実施しました。ドローンの効率的な飛行性能を最大限に引き出すためには、プロペラの推力や空気抵抗、モーメントといった空力特性の詳細な分析が不可欠です。こうした技術的課題を解決するため、空気の流れの乱れ度が小さい低乱風洞を利用した風洞実験を東北大学流体科学研究所の協力のもと行いました。東北大学流体科学研究所の低乱風洞は、乱れ度が極めて小さく、精度の高い空力計測が可能であることから、産業界や学術界での研究に活用されています。
2. 目的
この実験の目的は、プロペラの空力特性を様々な条件下で定量的に評価することです。形状の異なるプロペラや、特性の異なるモーターの様々な組み合わせにおいて、風速、流入角度、プロペラの回転数を変化させたときに、推力、空気抵抗、モーメントといった要素がどのように変化するかを調査し、ドローン設計の最適化に繋げることを目指しています。この基礎研究は、より効率的なドローンの設計に必要なデータを提供し、将来的な技術革新を支えるものです。
3. 概要
10月7日から11日にかけて、東北大学流体科学研究所の低乱風洞を用いてプロペラの風洞実験を行いました。実験では、プロペラの推力だけでなく、空気抵抗やモーメントも詳細に計測しました。
風速やプロペラの角度、プロペラの回転数を変化させ、複数の条件下でのプロペラの性能を評価しました。
4. 低乱風洞のスペック
東北大学流体科学研究所の低乱風洞は、流体関連の基礎および応用研究を目的とした施設です。この風洞は、低乱れ・低騒音・気流の一様性が非常に高く設計されています。このような極めて安定した気流は、世界的にも優れた性能を誇り、層流から乱流への遷移の研究や、産業界での製品開発など、精密な流体実験に大きく貢献しています。
・最大風速:70m/s
・測定部対角寸法:1m
・気流の乱れ強さ:0.02%以下
5. 結論と今後の展望
今回の風洞実験で得られたデータは、エアロネクストが行っているドローンの研究開発において、大きな役割を果たします。特に、機体全体の設計をより効率的かつ精密に行うための基礎データとして活用されることで、次世代ドローンの性能向上や新たな技術の実現に貢献します。これにより、エアロネクストの最先端のドローン技術がさらに進化し、さまざまな産業分野での活用が期待されています。
今後は、プロペラの形状やモータの種類等様々なパラメータの影響について評価していきます。