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エアロネクスト、秩父市の被災地域に物資定期配送をする「&プロジェクト」で、「Starlink」を活用した遠隔操作、着陸地無人での「レベル3」定期運航を3月末に完了~ 1月26日(木)から合計28フライト、総重量約100㎏の物資を配送~
株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、代表取締役CEO田路 圭輔、以下、エアロネクスト)は、「&(アンド)プロジェクト」*1に参画し、2023年1月26日(木)から実施した、土砂崩落の影響が続く秩父市中津川地内で、ドローンによる物資の定期配送(以下、本取り組み)を実施し、3月30日(木)を最終便として、予定期間の配送を完了しました。
具体的には、エアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruck*2を使用し、通信面では従来モバイル通信が不安定であった環境下、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」を活用し、KDDIスマートドローンの運航管理システムと組み合わせた、遠隔制御による運航(飛行、離発着、荷下ろし)を子会社である株式会社NEXT DELIVERY (山梨県小菅村、代表取締役 田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)が実施しました。1月26日(木)から3月30日(木)まで毎週木曜日実施し、往復約5.6kmのルートを合計28フライト、総重量約100㎏の物資を配送しました。
本取り組みにより、物流専用ドローンは、主に過疎地における自治体が抱える買い物弱者や医療弱者等の課題解決のための住民サービスとして活用できるだけでなく、有事の際や防災目的での活用の可能性も確認できました。
また、運航面での成果としては、3月2日(木)の配送より、「レベル2」(無人地帯で目視内自動・自律飛行)から、「レベル3」(無人地帯で目視外飛行)の運航に移行し、荷物の受け取り者(中津川区長)が第三者への注意喚起を行う(=補助者の役割を担う)ことで人及び物件との距離30mを確保できない運航において着陸地点を実質無人化*4できたことにより、ドローン配送における省人化の可能性を確認できたこととなります。
なお、本取り組みは、災害などの有事において、ドローンによる物資の定期配送を行った全国で初めての事例です*5。
■実施概要・実績
実施日 | 2023年1月26日(木)~3月30日(木)まで ※1週間に1回(木曜日)のドローン配送。 |
実施エリア | 埼玉県秩父市中津川地内 |
ドローン飛行距離 | 5.6km(往復) |
取扱物資 | 食品、飲料、調味料、生活雑貨、新聞、医薬品、秩父市広報紙、回覧物など |
対象世帯 | 6世帯(6名) |
配送実績 | 合計28フライト、配送物資総重量…約100㎏ ※1回のフライトにつき、最大4kgの物資を配送。 |
レベル3(無人地帯・目視外飛行)での運用、遠隔地からの操作*6で配送を実施
3月2日(木)の配送より、「レベル2」から、「レベル3」での運航に移行。着陸地点には技術者やパイロットを配置せず、東京都内から遠隔操作で実施しました。荷物を受け取り者(中津川区長)が、自ら着陸地点半径30m以内に人が立ち入らないよう、規制線のロープを張り、第三者への注意喚起を行い、中津川区長、東京の遠隔運用者、離陸地点スタッフの3者間通話で着陸地点の状況を確認しながらドローンの離陸から着陸し荷物を荷下ろし、また離陸地点に飛行し戻るまでの一連の流れを実施しました。ドローン配送された荷物は中津川区長が受取り、その後発注した各世帯まで商品を自らお届けしました。
参考:中津川地区着陸側の一連の流れはこちら
中津川地区の住民の皆さんからは「週1回の定期配送が楽しみの1つとなり、不安な気持ちが和らぎ、心のよりどころにもなっていた」といった声をいただき、冬季期間の住民の方々の、より日常に近い生活環境づくりに寄与することができました。
本取り組みで得られた運航、運用ノウハウと実績は、現在エアロネクストとNEXT DELIVERYが主に生活交通・物流など生活インフラの維持に課題を抱える過疎地域において住民サービスとして展開している新スマート物流*7SkyHub®*8における更なる活用のみならず、有事の際や防災目的での活用の可能性も追求、推進してまいります。
以上
(資料)
*1 「&プロジェクト」について
秩父市、株式会社ゼンリン、KDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社が、生活協同組合コープみらい、株式会社ちちぶ観光機構、ウエルシア薬局株式会社らとともに2023年1月26日(木)から実施した土砂崩落の影響が続く秩父市中津川地内で、ドローンによる物資の定期配送を実施するプロジェクト。”決して (A) あきらめずに、(N) 中津川地内の (D) ドローン配送の実現を推進し、住民生活の安全・安心の確保を支援し、地域の安堵 (AND) に貢献する”という想いを込めて命名された。
■「&プロジェクト」関係者・体制図
全国各地でドローン物流の実証・サービス実装を行うゼンリンが、プロジェクトの全体統括を担当し、技術面・配送面のノウハウを持つ各社と共に、体制を構築し、実施しました。
■配送フロー
- 住民は、電話などで事前に商品を注文。
- コープみらい・ウエルシア秩父影森店、ファミリーマート道の駅大滝温泉店が、注文商品をピックアップ。
- 各社トラックで道の駅大滝温泉まで配送。
- ちちぶ観光機構が、各社の注文品を個人ボックスごとに箱詰め。
- 注文商品をドローン離陸地点まで配送。
- 注文商品をドローンで配送。
- 中津川地内の区長が注文商品を受け取り、各世帯まで商品を配送。
*2 物流専用ドローン AirTruck
次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*3により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績をもつ。
*3 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。
*4 実質無人化
着陸側で、補助者の役割を担う受取者の中津川区長以外のドローン運航関係者がいないという意味での無人化。
*5 ゼンリン調べ。2023年4月5日(水)時点。
*6 復路着陸の際、河川上空から着陸まで、離陸地点のパイロットが手動で操作を行った。それ以外の飛行は全て遠隔自動飛行。
*7 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指す。
*8 新スマート物流SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。
ドローン配送が組み込まれた、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみで、ドローンデポ®︎を拠点に、SkyHub®アプリをベースにした配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送などのサービスを提供する。
SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。
【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY®︎。この4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。
【株式会社NEXT DELIVERYとは】
「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る国へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHubの®実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。
*会社概要は https://nextdelivery.aeronext.co.jp/ をご覧下さい。
*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。