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群馬県安中市で地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けた ドローン配送の実証実験を実施~10年後、20年後の未来を見据え、小学校、ゴルフ場、病院の3カ所を結ぶ全3ルートをレベル3飛行で農作物、フード、処方薬等常時積み荷を空にすることない一連のチェーンドローン配送を実現~

安中市(市長:岩井 均)と、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路圭輔、以下エアロネクスト)は、2月8日(水)に、安中市内の複数地域において、10年後、20年後の未来を見据えた地域課題の解決に貢献する新スマート物流*1の構築に向けたドローン配送の実証実験を実施しました。

本実証実験は、昨年10月4日に安中市、セイノーHD、エアロネクストの3者が締結した、ドローンを含む次世代高度技術活用により地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けた包括連携協定に基づく第一弾であり、国土交通省の「CO2削減に資する無人航空機等を活用した配送実用化推進調査事業」を活用した取組みです。

具体的には、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流”SkyHub®*2 “の社会実装に向けて実施するもので、地域自主組織や地元事業者と連携し、買物弱者、医療弱者等の社会課題の解決のための様々な用途活用やビジネス採算性の検討を目的に、貨客混載やオンライン診療を組み込みながら、小学校、ゴルフ場、病院の3カ所を結ぶ複数ルートを農産物、フード、処方薬等、常時積み荷を空にすることない一連のチェーンドローン配送飛行(全てのルートがレベル3飛行)を実施いたしました。

写真向かって左よりセイノーHD執行役員河合秀治、安中市長岩井均、エアロネクスト代表取締役CEO田路圭輔
ドローン配送で届いた新鮮な農産物と新幹線で届いたアンコウで調理されたアンコウのカラ揚げ弁当とドローン
THE RAYSUMのクラブハウス前からアンコウのカラ揚げ弁当を載せて離陸する物流専用ドローン”AirTruck”*3
オンライン診療を受ける3名の患者のうちの1名、鈴木美智恵さん(仮ドローンデポ:旧九十九小学校)
オンライン診療後ドローン配送で届いた処方薬と焼き芋を受け取る鈴木美智恵さん(仮ドローンデポ:旧九十九小学校)
ドローンの着陸を見守る近所の保育園児たち(仮ドローンデポ:旧九十九小学校グラウンド)

実証実験概要

1.背景と目的

安中市は、人口は平成12年(2000年)の64,893人をピークに減少し続け、現在55,163人(2023年1月末日現在)で、少子化が進む一方、高齢化率も年々増加をしており、地区によっては6割から7割が高齢者という地区もあります。市内には人口集中地区(DID地区)がないのも特徴で、市街地に人口が集中することなく、低密度に拡散した都市構造になっています。また公共交通としては乗合バス・乗合タクシー等が運行されていますが、利用客が年々減少しており、公的負担が増加している現状で、高齢化が進む地域やバス路線がない地域に住んでいる人の日常の買い物や通院などの生活利便性の維持のためにも交通手段は課題となっています。

そこで、物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みをつくり、課題の解決を目指す実証実験に、民間企業と行政が協働して取り組んでいきます。

2.実施内容

地域自主組織や地元事業者と連携し、地元住民に小学校、ゴルフ場、病院間をドローン飛行で経由させ、農産物、フード、処方薬等を各場所でお届けしました。常時積み荷を空にすることのない運用、新幹線を活用した貨客混載、オンライン診療からの3名分の処方薬と買物代行の商品の混載や、届いた農産物を活用して調理したお弁当をドローン配送しすぐに商品として店頭陳列する、産直品の集荷・加工・納品・販売の連携など、今までにない複数の試みを実施しました。

実証実験に使用された日本発物流専用ドローン“AirTruck”

 

旧九十九小学校を物流サービスの拠点であるドローンデポ®(仮設)とし、ドローン離着陸の起点終点とし、以下のように3つのドローン配送を一連のチェーンで実施いたしました。

  1. 旧九十九小学校(仮設ドローンデポ®)→THE RAYSUM(片道9.1km 約20分)地元農家の野菜をデリバリー。届いた野菜、アンコウ(糸魚川から新幹線で届いた(手荷物)もの)を使ってレストランでシェフがお弁当を調理。
  2. THE RAYSUM→碓氷病院(片道6.6km 約15分) 調理されたお弁当をデリバリーし、近くのJAファーマーズまで電動自転車で運び店頭に商品として陳列。
  3. 碓氷病院→旧九十九小学校(仮設ドローンデポ®) (片道4.7km 約11分) あらかじめオンライン診療と門前薬局の3つの薬局によりオンライン服薬指導を受けてもらった碓氷病院の実際の3名の患者にそれぞれの処方薬*と、買物代行を想定したJAファーマーズからの食料品日用品を混載してデリバリー。(*ドローンによる医薬品配送のガイドラインを遵守したうえで、実際の各患者様への処方薬をデリバリーします。)

ドローンで配送された処方薬と買物代行の焼き芋を受け取った鈴木美智恵さんは、「最近はガソリン代も高くなり、年を取ると運転も難しいのでありがたい。今後実用化したらぜひ薬も買い物もお願いしたい。」とコメントしています。

本実証後、まずは旧松井田町における新スマート物流SkyHub®の今年度の実装を推進します。今後、市の課題や市民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用により、安中市における地域の課題解決と活性化に寄与してまいります。そして安中市より群馬県へ日本へ世界へ未来の地域モデルを発信してまいります。

以上

(資料)
*1 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指す。

*2 新スマート物流SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーホールディングス株式会社が共同で進める既存物流とドローン物流をつなぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれること、共同配送を実現する、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみであることが特徴。SkyHub®の導入は、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

*3 AirTruck
エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローンAirTruck。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*4により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績(試作機での2021年度国内実証実験における飛行実績において)をもつ。

*4 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

【安中市とは】
安中市は平成18年3月18日に旧安中市と旧松井田町が新設合併して誕生した市で、群馬県の西部に位置しています。古くは東山道、近世には中山道の宿場、関所がおかれるなど交通の要衝であり、現在も市内に新幹線駅1駅、高速道路IC2ヵ所と立地条件に恵まれ、交通・輸送の要所として栄えています。
現在安中市では、磯部温泉や旧碓氷峠など恵まれた環境を活かした観光事業の発展、交通の便を利点とした商・工業の充実などのために、様々な施策を進め、よりよいまちづくりを目指しています。
詳細については https://www.city.annaka.lg.jp/gaiyou/index.html をご覧ください。

【セイノーホールディングス株式会社とは】
セイノーホールディングスは、価値創造型総合物流商社を標榜し、お客様に「時空を超えた価値提供」を目指しています。お客様の繁栄を基軸に、日本全体の効率化を意識したプラットフォームを構築すべく、オープンニュートラルな関係で業界内外において手を取り合い、お客様により良い最適なサービスを提供する「オープン・パブリック・プラットホーム構築(O.P.P.)」を具現化させることをグループの全体戦略としています。ラストワンマイル領域においては、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、貧困家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルO.P.P.の構築を積極的に推進・拡大しています。
*会社概要は https://www.seino.co.jp/seino/shd/overall-condition/ をご覧下さい。

【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY®。この4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。