松江市でドライバー不足解消を目指すトラック共同配送×ドローン配送の実証実験を実施
~地域物流の維持に向け、文書輸送や食事・軽貨物のドローン配送を検証~
株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長CEO:田路 圭輔、以下 エアロネクスト)と、戦略子会社である株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下 NEXT DELIVERY)は、松江市モーダルシフト協議会の取り組みの一環として、2026年10月19日(月)~21日(水)および10月26日(月)~28日(水)の期間、島根県松江市において、トラック共同配送とドローン配送を組み合わせた新スマート物流モデルの実証実験を実施いたしました。
本実証実験は、将来的なドライバー不足や地域の物流維持課題に対応するため、文書の輸送および調理済食事や軽貨物の配送にドローンを活用し、物流品質や現場オペレーション、利用者受容性・事業性を検証したものです。10月21日(水)には松江市長による現地視察が行われたほか、報道関係者へのメディア説明会も実施いたしました。また、10月28日(水)には第2期の実証の様子をメディアに公開いたしました。






背景と目的
松江市では、人口密度が低い過疎・中山間地域を中心に配送効率が低く、ECサイト等の普及による宅配便取扱量の増加と物流の担い手不足が深刻な課題となっています。松江市における「運輸業・郵便業」の有業者が総人口に占める割合は3.0%と全国平均(5.3%)を下回っており、さらに高齢者割合も31.19%(全国平均29.6%)と少子高齢化が進行しています。これにより、将来的に地域物流サービスを維持できなくなるリスクが懸念されています。
このような地域課題の解決に向け、松江市を幹事とする「松江市モーダルシフト協議会」が設立されました。本協議会では、物流事業者や荷主の荷物を配送デポへ集約し、ミドルマイルのトラック共同配送とラストマイルのドローン配送を組み合わせる新たな地域物流モデルの構築を目指しています。
今回の実証実験では、行政業務の効率化を図る「文書配送」と、地域の福祉・介護ニーズに応える「調理済食事・軽貨物の共同配送」の2つのユースケースにおいてドローン航路を設定し、レベル3.5*4(無人地帯での補助者なし目視外飛行)による自動遠隔運航を実施・検証いたしました。
実証概要
| 事業名・枠組み | 松江市モーダルシフト協議会 令和8年物流生産性向上推進事業 |
| 実施期間 | 【第1期(文書配送)】2026年10月19日(月)~10月21日(水) 【第2期(調理済食事・軽貨物配送)】2026年10月26日(月)~10月28日(水) |
| 飛行ルート・ 距離 | 【第1期】 ① 文書配送(中距離): 末次公園 ⇔ 松江市玉湯支所(往復約11km、飛行時間約20分) 【第2期】 ② 調理済食事・軽貨物配送(近距離): モルツウェル拠点 ⇔ 社会福祉法人みずうみ(往復約5km、飛行時間約10分) ③ 調理済食事・軽貨物配送(遠距離): モルツウェル拠点 ⇔ ゆうなぎホーム(往復約24km、飛行時間約35分) |
| 配送物 | ・松江市の文書(2kg~5kg相当) ・調理済食事(モルツウェル社の真空食材・配食弁当等) ・軽貨物・支援物資(アスクル社提供の事務用品・衛生用品等) |
| 使用機体 | ・ACSL社製 PF4*3(最大積載量5.5kg仕様) ・DJI社製 FC30*3(最大積載量30kg仕様) |
| 運航方法 | NEXT DELIVERYによる遠隔運航管理および現地サポート(レベル3.5自動遠隔運航) |
| 協議会構成員 の役割 | ・松江市(幹事者): 全体統括、文書配送の実証参画 ・モルツウェル株式会社: 調理済食事配送オペレーション検討・提供 ・アスクル株式会社: 荷主としての軽貨物提供・荷姿最適化検討 ・株式会社NEXT DELIVERY: ドローン運航および配送システムの検討・実証 ・株式会社エアロネクスト: ドローン配送モデル検討・実証準備・技術支援 ・ソフトバンク株式会社: ドローンユースケースの検討 ・セイノーホールディングス株式会社: 配送網最適化・オペレーション検討 |
当日の様子と検証項目
第1期(10月19日~21日)のメディア公開日となった10月21日(水)には、松江市役所本庁付近の末次公園から松江市玉湯支所への文書配送が公開されました。松江市長による見学も行われ、松江市職員自らがドローンの準備作業を担い、離着陸から荷物の引き渡しまで、官民一体となった運用を行いました。また、第2期(10月26日~28日)には、モルツウェル拠点を起点として介護施設(社会福祉法人みずうみ、ゆうなぎホーム)への調理済食事および一般貨物のドローン配送を実施いたしました。第2期のメディア公開日となった10月28日(水)には、介護施設への調理済食事・支援物資のドローン配送の様子が公開されました。第2期においても、モルツウェル株式会社の職員自らがドローンの準備作業を担い、荷主と運航事業者が一体となった運用が行われました。
本実証において検証された主な項目は以下の通りです。
・物流品質の検証:ドローン飛行時における定時性、荷物の汚破損・欠損の有無、ならびに保冷・保温ボックスを用いた調理済食事の適切な温度管理(冷蔵・冷凍)が保たれるかを検証しました。
・現場オペレーションの検証:荷積み、離着陸、荷下ろし、引取手への受け渡しに至る一連の作業工程の時間や作業性を検証しました。
・利用者受容性・満足度:受取側となる市役所支所職員や介護施設職員による受け取り手順の受容性や満足度を確認しました。
・ドライバー不足緩和と採算性・事業継続性:トラック共同配送とドローン配送を組み合わせることで削減されるドライバーの配送時間や稼働量を分析し、今後の事業自立化に向けた収支条件の整理を行いました。
今後の展望
今後は、松江市モーダルシフト協議会において実証実験で得られたデータの集計・分析を進め、運航効率や経済合理性の精緻化を図ってまいります。
参画企業や対象となる荷物・配送エリアの更なる拡充を進め、公的施設や既存の物流網を活用した持続可能な地域物流インフラの社会実装を目指します。エアロネクストおよびNEXT DELIVERYは、過疎・中山間地域においても住民が環境にとらわれず将来にわたり安心して必要な物流サービスを受けられる社会の実現に貢献してまいります。
以上
【本ニュースリリースに関する報道機関からのお問い合わせ】
株式会社エアロネクスト 広報部 (担当:伊東)
Tel: 03-6455-0626 Email: aeronext_pr@aeronext.com
資料
*1. ACSL社製 PF4
ACSL社製の長距離飛行マルチユースドローン。最大ペイロード5.5kg、長距離飛行性能と高い安全性を備える。
*2 エアロネクスト開発のドローンスタンド®
第三者が侵入する懸念のある離発着地点における地上の安全管理(立入管理)機能としての使用を想定して開発。カメラによる監視(リモートパイロットと連携)で離発着地点の安全を事前確認する機能、ドローンの離陸、着陸時に周囲の安全を確保する、アナウンス機能を持つ。また、置き配の受取完了の確認及び記録が可能。
*3. DJI社製 FC30
DJI社製の物流用大型ドローン。最大ペイロード30kgの重量貨物運搬に対応。
*4. レベル3.5
デジタル技術を活用した歩行者等の確認や、操縦ライセンス保有・保険加入等の条件を満たすことで、無人地帯における目視外飛行(レベル3)時の立入管理措置(補助者や看板配置等)を緩和できる飛行区分。
【株式会社エアロネクスト】
エアロネクストは、「人生100年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ。」をミッションに掲げ、低空域を活用した新たな社会インフラの構築を推進しています。
独自の重心制御技術「4D GRAVITY®」を核とした技術ライセンス事業や共同開発事業、地域物流を集約・効率化する新スマート物流「SkyHub®」事業およびドローン運航事業を展開しています。
さらに、この物流分野で培った同時遠隔自動操縦オペレーション技術を基盤に、「フィジカルAI」の社会実装を推進しています。AIモジュールを物流、農業、設備点検、防災・警備など幅広い産業分野へ展開し、多様なドローンやロボティクスを統合的に制御するプラットフォームの構築を進めています。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/about/company/をご覧下さい。
【株式会社NEXT DELIVERY】
エアロネクストグループのミッションに基づき、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの戦略子会社。既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流の仕組みSkyHub®の企画運営、展開を推進し、地域物流の効率化と地域社会の課題解決に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/about/company/をご覧下さい。
*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴ、NEXT DELIVERY、並びに「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。