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境町、出前館、エアロネクストが連携協定を締結、ドローンによる定常的なデリバリーサービスを開始

茨城県境町(町長:橋本 正裕)、株式会社出前館(東京都渋谷区、代表取締役社長:藤井 英雄、以下「出前館」)、株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下「エアロネクスト」) は、2023年4月5日(水)に、デジタル化やドローン等の次世代高度技術の活用によって地域課題の解決に貢献するため、連携協定を締結し、レベル4*1のドローン配送を見据えた新スマート物流*2の構築に向けた出発式にて、レベル3*2のドローン配送をメディアに公開いたしました。
そしてこのたび、境町エリアにおいて、出前館アプリと連携したドローンによる空輸と陸送のハイブリッドなデリバリーサービスを開始いたしました。運用実施は、『ドローンデポ*4境町』を拠点にエアロネクストの子会社である、株式会社NEXT DELIVERY (本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下「NEXT DELIVERY」)が行います。

今後も、ドローンをはじめとする次世代高度技術を活用し、ドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®*5“の社会実装を加速すべく、3者連携して境町内の地域課題解決と市民の暮らしの豊かさの向上に貢献して参ります。

写真向かって左より、連携協定書を掲げる出前館 代表取締役社長 藤井 英雄、境町長 橋本 正裕、エアロネクスト代表取締役CEO田路 圭輔
(境町役場)
配送サービスに使用する日本発物流専用ドローン“AirTruck”と箱
ドローン配送されたピザを食す稲垣さんご一家

 

【協定概要】

背景と目的

日本では、大都市でデリバリーなどのサービスが提供され、利便性が向上する一方、地方では人口減少や高齢化により飲食店の廃業やデリバリーの中止が行われ、利便性が低下し、買い物弱者の問題が深刻化しています。このような状況を踏まえ、ドローン配送と陸上配送を連結させた新スマート物流システムであるSkyHub®の導入により、大都市と同様の利便性を提供することによって人口流出の抑制や人手不足の問題を解消し、高齢者や買い物弱者などの利便性向上や飲食店等の売上機会の拡大により地域経済の活性化を図っていきます。
境町においては出前館でデリバリーの注文を受け、レベル3飛行と陸送を組み合わせたデリバリーサービスを実施します。昨年、レベル4が解禁されたことも踏まえ、日本初のレベル4によるサービス社会実装を目指していきます。

これまでの経緯

  1. 2022年10月3日に、境町、セイノーホールディングス株式会社(以下「セイノーHD」)、エアロネクスト、BOLDLY株式会社、株式会社セネックが「ドローン、自動運転バスを含む次世代高度技術の活用に関する協定」を締結
  2. 2022年12月29日に、出前館とエアロネクストが、ドローンを活用した新しい商品流通の仕組みの構築に向けた業務提携契約を締結
  3. 2023年2月3日に、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流”SkyHub® “の拠点となる『ドローンデポ境町』を開所し、同月28日に、住民向けのドローン配送サービスのデモンストレーションを実施

実施内容

今回開始するサービスでは、境町の住民が「出前館」のアプリやサイトで注文した商品を、自律飛行するドローンや軽バンなどによる陸送を組み合わせて効率的に配送します。

出発式では、道の駅さかいのピザを境町金岡地区の住民に配送し、車で約5分の旧ゲートボール場まで軽バンで運びドローンに搭載、約2.2kmの距離をエアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruck*6で約7分飛行して、注文者の元に届けられました。焼きたてのピザを受け取った稲垣さんは「ピザは熱々で道の駅で食べたのと同じ味で美味しいです。今日は午前中、家の農作業をやってましたが、農作業の後に食べる熱々のピザは最高です。ぜひ今後も注文してみたいです。」とコメントをしています。

出前館サイト 店舗画面
道の駅さかいから軽バンで運ばれたピザをドローンスタッフにリレー
道の駅さかいから軽バンで運ばれたピザをドローンに搭載

【連携協定詳細】

締結日:
2023年4月5日(水)

協定の内容:
デジタル化やドローン等の次世代高度技術の活用により、以下の事項において連携・協定する。

  1. 地域商店(飲食店、小売店等)のデジタル化やドローン等の次世代高度技術の活用による境町内消費の活性化に関する事項
  2. 地域商店(飲食店、小売店等)のデジタル化やドローン等の次世代高度技術の活用による住みやすい環境づくりに関する事項
  3. 地域商店(飲食店、小売店等)のデジタル化やドローン等の次世代高度技術の活用による新しい地域物流インフラの整備に関する事項
  4. 地域商店(飲食店、小売店等)のデジタル化やドローン等の次世代高度技術の活用による地域雇用、人材教育、人材育成に関する事項
  5. 当事者間にて協議し必要と認める事項

代表コメント

4月5日に境町役場で実施された連携協定式において、代表三者が以下のとおりコメントしています。

<境町長 橋本 正裕のコメント>
今回の協定により、住民がアプリで申し込み、ドローンが商品を届けてくれる、そういう時代がようやくやってきました。人口減少・高齢化が進む農村部や、買い物が不便になった地域にも様々な物を届けて、住みやすい街を目指したいです。
境町よりも高齢化率が高い自治体はもっとたくさんありますので、境町でサービスを磨いて、ぜひ他のエリアにも展開していただきたいと思います。

<株式会社出前館 代表取締役社長 藤井 英雄のコメント>
出前館のビジョンとして「地域の人々の幸せをつなぐライフインフラ」と掲げており、都市部以外の物量網としてドローン活用の可能性を模索し、実証実験を繰り返し行ってきました。今回は境町とエアロネクスト社のご協力のもと、実証実験で培ったノウハウやナレッジを生かしてドローンを活用した定常的なデリバリーサービスの開始が実現できました。
出前館はこれからも日本の社会課題に向き合い、ライフインフラとして日本中の方々に必要とされるサービスを提供していきたいと考えています。

<株式会社エアロネクスト代表取締役CEO 田路 圭輔のコメント>
今回、SkyHub®境町として出前館様に出店し、境町のお店の商品を出前館アプリ・サイトから注文、配送できるようになりました。大都市では出前館様のフードデリバリーサービスが既に展開されていますが、モール形式での出店という新しいやり方とドローンという新しい配送手段を組み合わせることで、ここ境町でも出前館サービスを開始することができました。このような新しいサービスを境町から全国の市町村に広げていきたいです。

ドローンによるデリバリーサービス概要

サービス開始日

2023年4月5日(水)

配達エリア

茨城県猿島郡境町

内容

「出前館」アプリ、サイトよりご注文いただいた商品を1日2便で配達いたします。
10時までのご注文: 12時〜13時
16時までのご注文:18時〜19時
※平日限定です。
※天候などにより変更となる場合がございます。

店舗名

SkyHub Delivery 境町店
URL:https://demae-can.com/shop/menu/3294027

取扱商品

飲食料品、生活用品
今後さらに展開を予定しております。

以上

(資料)

*1 ドローン飛行におけるレベル4
市街地などの有人地帯において補助者なしでドローンが目視外飛行すること。

*2 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指す。

*3 ドローン飛行におけるレベル3
中山間地などの無人地帯において補助者なしでドローンが目視外飛行すること。

*4ドローンデポ®
既存物流とドローン物流との接続点に設置される荷物の一時倉庫であり配送拠点。

*5 新スマート物流SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。
ドローン配送が組み込まれた、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみで、ドローンデポ®︎を拠点に、SkyHub®システムをベースにし、配送異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送や、買い物代行、配達代行、フード、医薬品などをドローンスタンド®あるいは個人宅まで配送するサービスを提供する。
SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

*6 物流専用ドローン AirTruck
次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*7により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績をもつ。

*7 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

【境町とは】
埼玉と千葉に隣接し、利根川の豊かな水が流れる緑あふれる「河岸のまち」です。
近年、誰もが生活の足に困らない町を目指し、自治体初の自動運転バスの運行など、「シンプルに困っている人を助ける」ための最先端の技術を取り入れた事業が盛んです。
地域課題に対しスピード感をもって解決していくまちづくりが功を奏して、『まちづくりアワード「功労賞」国土大臣表彰』『クルマ・社会・パートナーシップ大賞』『スポーツ・健康まちづくり(スポーツ庁長官表彰)※受賞2回』を受賞しました。手厚い子育て支援や移住・定住者への補助でも人気を呼び、「田舎暮らしの本」(宝島社 2023年2月号 第11回「住みたい田舎」ベストランキング)では北関東エリア 若者世代・単身者部門で1位を獲得しました。
今後は、高齢者にも子育て世帯にも「住み続けたい町」として期待に応えるべく、自動運転バスとドローンが連携する次世代型物流システムの構築を目指していきます。

【株式会社出前館とは】
「出前館」は、アプリやサイトから簡単に注文でき、さまざまなシーンで活用可能な全国47都道府県に展開する国内最大級のデリバリーサービスです。サービスを開始以降、加盟店舗数は拡大し、現在100,000店舗以上になりました。フードデリバリーサービスとして始まった『出前館』は、昨今では日用品の配達など”ラストワンマイル”の領域までサービスを推し拡げ、進化し続けています。今後、フードデリバリーを起点とし、さまざまなシーンにフィットするサービスとして事業を拡大し、ライフインフラとして進んでまいります。
*会社概要は https://corporate.demae-can.co.jp/company/profile.html をご覧ください。

【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY®︎。この4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。

【株式会社NEXT DELIVERYとは】
「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る国へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHub®︎の実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。
*会社概要は https://nextdelivery.aeronext.co.jp/ をご覧下さい。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。