実績・事例
国立広島商船高等専門学校との共同プロジェクト
「準天頂衛星 みちびきを活用した自律航行船・ドローン間協調制御の物流網への適用」共同プロジェクトを実施
国立広島商船高等専門学校との共同プロジェクトで、株式会社エイトノットと連携して、「準天頂衛星 みちびき」を利用し、自律航行船とドローンを協調制御させ、自律航行船と沿岸間でのドローン配送実証実験を実施しました。海・空の高度な次世代技術の連携を必要とする日本初の試みで、自律航行する船へのドローンの着陸を無事成功させました。
具体的には、2022年11月に、広島県大崎上島沖において、離島地域の住民への買物支援を想定し、自律航行船とドローンを連携させ、自律航行船と沿岸間でのドローン配送実証実験を実施しました。本実証実験は、内閣府の「準天頂衛星システム みちびきを利用した実証事業」を活用した取り組みです。
今回、国立広島商船高等専門学校、独自の構造設計技術4D GRAVITY®︎をはじめとする次世代ドローン技術の研究開発を行うエアロネクスト、自律航行技術を用いた水上移動や輸送により離島の課題解決に取り組むエイトノットが、それぞれが強みとする技術や知見を持ち寄り、高度な位置情報やセキュリティの高い情報通信のため、みちびきの位置情報提供サービスを活用し、自律航行EV船とドローンが連携した協調制御システムをベースにした将来の新たな物流配送インフラの構築を目指し実証実験を実施しました。
実証実験概要
1.背景と目的
完全離島(本土と陸路が繋がっていない離島)においては、高齢者が多く、買い物支援が課題となっており、輸送物を離島地域の隅々まで確実に届ける配送サービスの実現が求められています。島内のラストワンマイル輸送を実現するため、すでに自律航行による水上移動や輸送のサービスを見据えている中で、今回は、ドローンと接続し、自律航行EV船とドローンを組み合わせた配送サービスの将来に向けた可能性を実証することを目的に実施します。
なお、輸送物を離島地域の隅々まで確実に届ける配送サービスを実現するために、高度な位置情報やセキュリティの高い情報通信が必須であり、みちびきの位置情報提供サービスを活用いたします。
2.実施概要
1)実施日時: 2022年11月25日(金)
2)実施エリア: 大崎上島東海岸域
3)実証内容:
みちびきのCLASを活用した自律航行船・ドローン間の協調制御技術開発
自律航行船・ドローン間の協調制御技術を用いた、大崎上島東海岸域における配送サービスの実証実験
社会実装時の経済合理性試算、及び利用者のニーズ把握
無人ロボットによる配送サービス実現に向けて必要な法整備の要素・項目の抽出
都市部、道路交通網が未発達な新興国などへの水平展開を見据えたロードマップ整理
4)実施内容:
この実証実験のために開発したエアロネクスト独自の構造設計技術4D GRAVITY®︎を搭載した専用ドローンが広島商船の生徒の学生寮のある沿岸から大崎上島東海岸域を自動航行している船まで追走し、船上に着陸。あらかじめ用意しておいたドーナツの入った箱を搭載し、沿岸に向けて離陸。沿岸部に着陸した後、待っていた広島商船高専の生徒に無事届けられました。