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日本初、北海道上士幌町でドローンを活用した牛検体(乳汁)のリレー配送の実証に成功。安全性、品質維持共に問題なく実用化に向けて一歩前進。

経済産業省北海道経済産業局(北海道札幌市、以下経産省)、イノベーションチャレンジ実行委員会(実行委員長:上士幌町長 竹中貢)と、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)、株式会社エアロネクスト (本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路圭輔、以下エアロネクスト)は、10月8日(金)に、株式会社ノベルズ(本社:北海道上士幌町、代表取締役 延與 雄一郎、以下ノベルズ)の協力のもと、ドローン等を活用した、牛の乳房炎の検体(乳汁)の配送実証を全国で初めて実施しました。
具体的には、ドローン配送と陸上配送のリレーによる牛の乳房炎の検体(乳汁)の配送において、温度管理・振動・ドローンと陸送との連携・リレー配送後の検査品質評価等の一連の実証を実施した結果、安全性、品質維持共に問題なく、実証が成功いたしましたのでお知らせいたします。
なお、本実証は経済産業省「地域産業デジタル化支援事業」(実施機関:公益財団法人 北海道科学技術総合振興センター)を活用して実施したものです。

今回運搬した48本の牛の乳房炎の検体(乳房)

配送スタッフが検体を箱詰め

配送スタッフがドローンスタッフへ箱を手渡し

ノベルズ上士幌本社敷地内をドローン飛行

ドローン飛行後、軽トラックでノベルズ研究所帯広センターまで配送

研究所到着後、研究員に確認頂き配送完了(検査は翌日)

*実証実験の様子はこちらの動画をご参照下さい。YouTubeリンク: https://youtu.be/T8agtCiAP4c

<本実証実験の詳細>
1.背景と目的
牛個体の検査業務を実施するバイオ企業各社においては、僻地である酪農地帯への検体の配送が、物流側の人手不足により年々困難となりつつある。現状では、運送会社を利用して運搬を行っているが、60kmの距離の運搬の場合は、約2日間の時間を要することもあり、品質が損なわれる可能性も懸念される。そのため、新たな配送手段の1つとして、ドローン活用の可能性を探るべく、実証実験を実施した。本実証実験で、ドローンを活用した配送において品質維持が実証できれば、ドローン活用の有効性を見出すことができ、将来、現状より短時間での運搬が可能になる。今回は、牛の乳房炎の検体(乳汁)配送に関して、温度変化・振動影響等の観点で評価を行い、ドローン配送によって安全性と品質が損なわれないかの確認を行った。

2.実施概要と結果
■試験管に入れた牛検体(乳汁)48本を、エアロネクストの4D GRAVITY®*1搭載の最新物流専用ドローンに搭載し、ノベルズ上士幌本社敷地内で20分間(約3km)の飛行を2回行った後、検体をセイノーHDのトラックに積み替え、ノベルズ研究所帯広センターまで配送し、翌日、研究所にて、検体の検査を実施した。

■実証の結果、ドローン配送時の振動は、配送後の検査品質に影響しないレベルであり、実用に耐えうることが確認できたこと、配送後の検査品質も実用に耐えうるレベルであることが確認でき、配送等の課題の多い畜産業界全般におけるスマート物流の実装可能性を検証することができた。

各分野においてデジタル・トランスフォーメーションが進行する中、畜産業界においても、少子高齢化による担い手不足という深刻な課題に直面しており、各テクノロジーの活用が求められています。そのような状況下、今回、ドローンを活用した牛の検体の一連配送の実証を日本で初めて実施し、成功したことは、乳汁に限らず、血液や受精卵等の配送の課題の多い畜産業界全般におけるドローン配送を含む新スマート物流の社会実装に向けた大きな第一歩となりました。今後実用化に向けて、寒冷地の気候における実証等も視野に入れながら、引き続き、連携して検討を重ねる予定です。
また、畜産業界のみならず、その他の産業界への応用、拡大の可能性も広がります。

資料

*1 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化して4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により、産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

【経済産業省 北海道経済産業局とは】
経済産業省は、ドローンによる拠点間のモノの移動や、空飛ぶクルマによる人の移動といった、新たな領域における技術の社会実装・産業振興を通じて、社会の課題を解決し、“安全・安心+ワクワク”な未来を創造するチャレンジを進めています。北海道経済産業局ではドローン等の先端技術を活用した新たなビジネスモデルの構築をテーマに、非対面医療や処方性医薬品のドローン配送を全国で初めて実施するなど、地域・企業の技術実装の支援を推進しています。
※詳細はhttps://www.hkd.meti.go.jp/をご覧下さい。

【イノベーションチャレンジ実行委員会(上士幌町)とは】
イノベーションチャレンジ実行委員会は、上士幌町が目指す生涯活躍のまち実現のため、行政や町内団体と民間企業が一体となって、 ICTの活用や情報を可視化する事により、移動サービスの充実や物流課題の解決を図る団体です。

【セイノーホールディングス株式会社とは】
セイノーホールディングスは、価値創造型総合物流商社を標榜し、お客様に「時空を超えた価値提供」を目指しています。お客様の繁栄を基軸に、日本全体の効率化を意識したプラットフォームを構築すべく、オープンニュートラルな関係で業界内外において手を取り合い、お客様により良い最適なサービスを提供する「オープン・パブリック・プラットホーム構築(O.P.P.)」を具現化させることをグループの全体戦略としています。ラストワンマイル領域においては、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、貧困家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルO.P.P.の構築を積極的に推進・拡大しています。
*会社概要はhttps://www.seino.co.jp/seino/shd/overall-condition/ をご覧下さい。

【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY®︎。この4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。

【株式会社ノベルズとは】
ノベルズグループは畜産業界に新たなイノベーションを起こすべく、 2006 年に設立。北海道・十勝地方を拠点に肉牛・酪農・食品事業を展開し、道内で10箇所、山形県で1箇所の牧場を経営、現在3万頭以上の牛を飼養しています。肉牛事業では、先進的な生産モデル「交雑種1産取り肥育」の事業化により、和牛子牛と交雑肥育雌牛(自社ブランド:十勝ハーブ牛)の効率的な生産体制を確立。2016年より和牛の肥育事業も開始、11年に進出した酪農事業においても出荷乳量が年間5万トンを超え、北海道最大、日本有数の事業規模へと成長。持続可能な農業の実現へ、和牛の受精卵研究、生産やICT活用を通じて生産性を追求するほか、耕畜連携による循環型農業に取り組んでいます。
※詳細はhttps://nobels.co.jp/company/をご覧下さい。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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