実績・事例

小菅村

小菅村が抱える課題

小菅村は人口615名の小さな村で、高齢者率も非常に高いため、過疎化およびそれに起因する利便性の悪化が深刻です。村内の商店は2店舗しかなく、最寄りのスーパーまで車で片道約40分かかります。ここに2024年問題が追い打ちをかけており、小菅村の物流は日用品や医薬品・食品などの多岐にわたって重要な問題となっています。

新スマート物流SkyHub®の導入

2020年11月にエアロネクストは小菅村と連携協定を締結し、その後一部地方創世交付金(Society5.0)を活用しながら、新スマート物流SkyHub®の社会実装を推進しています。

2021年1月には戦略子会社NEXT DELIVERYを小菅村に設立し、2021年4月からは、村内に物流倉庫兼拠点となるドローンデポ®を設置し、地上と空を接続させる新たな物流のしくみ、新スマート物流「SkyHub®」を開始しました。2024年4月時点で「ドローン配送を含むオンデマンド配送サービス」は550件以上、「地域のスーパーと連携した買物代行サービス」は1200件以上利用されており、住民にとって重要なインフラとなっています。

全国に先駆けた小菅村における新スマート物流SkyHub®の取組みは、デジタル田園都市国家構想の優良事例に採用され、全国で横展開が進んでいます。

また2023年8月より共同配送もスタートしました。これは2024年問題を見据えて自治体と物流企業が連携することで、小菅村周辺の配送網の維持および再構築を目的にしています。2024年4月時点ですでに主要インフラとして機能しています。

さらに、2024年4月には、エアロネクストは小菅村との連携協定を更新し、あらたにNEXT DELIVERY、セイノーホールディングスを加え、「ドローンを含む次世代高度技術の活用による地方創生に向けた包括連携協定」を締結しました。

今後も民間企業と行政が協同して、より一層新スマート物流SkyHub®の社会実装の活動を推進していきます。

地域の商店と連携した買物代行サービス

専用アプリで買物した地域の商店やスーパーなどの商品や飲食店の出前が、希望日時に個宅に届く買物代行・配達代行サービス。地域の商店のDX化支援の取り組みでもあり、モールEC型で展開するネットスーパー&フードデリバリーサービスです。小菅村では、近隣地域にある地元スーパーの約1,000アイテムの食料品、日用品から商品を選び、2時間間隔に設定された時間枠から希望時間枠を選択して注文。配送料は300円。正午までの注文を当日中にお届けします。

さらに、2024年4⽉には、エアロネクストは⼩菅村との連携協定を更新し、あらたにNEXT DELIVERY、セイノーホールディングスを加え、「ドローンを含む次世代⾼度技術の活⽤による地⽅創⽣に向けた包括連携協定」を締結しました。今後も⺠間企業と⾏政が協同して、より⼀層新スマート物流SkyHub®の社会実装の活動を推進していきます。

ドローンデポ®

既存物流とドローン物流との接続点に設置される、ドローン配送・陸上配送ができる仕組みを持つ倉庫。新スマート物流SkyHub®における拠点となる。

以前商店だった空き家を活⽤しています。

ドローンスタンド®

ドローン物流の起点および終点に設置されるドローンの離発着のための設備、場所。

10ヶ所設置しています。(2024年4⽉時点)

実施中のサービス

小菅村では、次のようなサービスを提供しています。(2024年3月時点)

オンデマンド配送サービス(SkyHub® Store)

アプリから食料品や日用品を注文し、最短30分で届くオンデマンド配送サービスです。配送料は1回300円で、ドローンデポに在庫してある約100品目ある中から商品を選べます。専用のアプリで注文すると、注文から最短30分でドローンがご指定のドローンスタンド®に商品をお届けします。天候等の事情でドローン便が難しい場合はおクルマ便による陸上配送でお届けします。

地域の商店と連携した買物代行サービス(SkyHub®︎ Delivery)

村外のスーパーや商店の商品が希望日時に自宅に届く買物代行・配達代行サービスです。配送料は1回300円、サービス料は商品価格の10%で、1,500品目ある中から日用品・食品を選べます。正午までの注文で、当日中にお届けします。

地域の飲食店と連携したフードデリバリーサービス(SkyHub® Eats)

村内4つの飲食店でもフードデリバリーが始まっています。地域の商店のDX化を支援する役目もあり、スマートフォンを持っている人はLINEやメールで、持っていない人は電話などにより注文します。村内のフードデリバリーは12〜14時の枠と15時〜17時の枠が設けられています。

共同配送

宅配荷物を各社が一度ドローンデポ®に集積してから自宅まで配送するサービスです。これまで各社が毎日少量の荷物を配送していましたが、一度集積することでより効率的に配送できるようになりました。2024年問題などが叫ばれる中、物流を維持しつつ新たなインフラとなっています。また日本初となる共同配送荷物のドローン配送も検証しています。これにより陸送が困難な地域に解いても配送が可能となるため、期待が寄せられています。

スマートストア

村内の商店は閉店時間が早いため、夜遅くまで買い物ができる無人コンビニ「SkyHubスマートストアこすげ」を道の駅こすげの物産館横に設置しています。商品はお菓子や冷凍食品、小菅村のお土産品など100品目ほどで、キャッシュレスに対応しています。2024年3月にプレオープンし、2024年4月末に正式オープンし、村民の利用はもちろん、人気の道の駅こすげを訪れる他県から来られる方にもご利用いただいています。

その他

そのほかにも医薬品配送や観光施設へのドローン配送なども行っています。村内には診療所が1つしかなく規模も小さいため、処方できる薬の種類や量に限界がありますが、オンライン薬局による処方を行うことでこの問題を解決できます。観光施設へのドローン配送は一部の期間で実証実験をしている段階ですが、バーベキューセットなどをキャンプ場までドローンで配送しています。